■秋月りす自選集 特選OL進化論 (5巻セット)
 秋月りす著 講談社
 ISBN:4069354719 2003/12 ¥2625

 通勤時間の長さに耐えかねて購入。
 電車のお供にぴったりです。

 ……と言いつつ、JR大阪駅地下の「CAFE BREAK」でティラミスラテ(ショートサイズ)を頂きながら『35歳で独身で』を読みふける。
 帰宅への通勤電車での戦いを前に、癒し(と形容するにはちと微妙な感情ではあるがここで多くは語らない)度と血糖値が程良く上昇。いい感じ。
■萌える英単語 もえたん
 渡辺益好・鈴木政浩著 三才ブックス
 ISBN:4915540707 2003/11/22 ¥1200

 以下は、私が某大学生協の書評誌3月号で書いた『もえたん』書評です。一般人(笑)を対象にしているので、オタク度は控えめになっております。
 ここで公開すると複数人と約束したので、そのまま転載。

   *  *  *

 初版2万7千部は発売後数日で完売。増刷分合わせて一ヶ月足らずで10万部突破。発売前から謎の予約が殺到し、発売直後にはオンライン書店「Amazon.co.jp」で売上ランキング一位に。受験参考書にもかかわらず中学生から40代まで幅広い読者を獲得し、噂では某T大生協書籍部では売上が百冊を突破したらしい──等々、良くも悪くもいろんな意味で「話題」の本。それが『もえたん』。

 本書の内容を一言で説明すると「二次元美少女がナビゲートしてくれる大学受験用の英単語暗記帳」。ヒロインの魔法少女・虹原いんく(ランドセルを背負っていても大学受験生)が、片想いの彼を相手に繰り広げる超B級のお約束ドタバタコメディ。その合間を縫って、本来の目的である「英単語帳」部分が配置されます。もっともセンター・私大レベルの頻出英単語と派生語、同義語、反意語、発音記号等はきっちりと押さえてあり、見た目のうさん臭さとは裏腹に受験参考書としての本書は意外とマトモです。

 しかし、全ての単語に併記される例文が、そのマトモさをぶち壊しかねない斬新さ。アニメ・漫画に各種ゲーム、インターネット、秋葉原関連ネタ等、一般的には「オタク的知識」に分類される話題から大半の用例が選ばれているのです(普通の時事ネタも多少は含まれますが)。凡人には理解不能な例文も散見されるものの(妹が12人とか)、なんだか聞き覚えのある文章や台詞もちらほら。

 試しに、比較的オタク色の薄い?例文を引用してみましょう。

  『赤い機体は、普通の機体の三倍の性能だ』──Compared with
  the ordinary body of the Robot, the red one puts out triple
  performance.             (「ordinary」の用例)
  『その豆知識にサングラスの男は心底から感心し、ボタンを連打
  した』──Admiring the trivia greatly, the man with sunglasses
  pressed the button again and again.    (「admire」の用例)

         ・    ・    ・
 さて、この内容紹介を読む限り、何故そんなふざけた本が受験生のみならず幅広い読者層に支持されているのか、困惑される向きもあるかと思います。確かに読者層の中には、真面目な動機で購入する受験生も、可愛いイラストに「萌える」アニメオタク諸氏も、一定割合で存在することでしょう。しかし私は、実はこれらの「例文」が本書の価値を決定づけ、一般読者層を惹きつけたのだと考えます。

 無味乾燥な受験英語がオタク的知識にうまく組み込まれていく「変換過程」そのものを純粋に楽しむ。そして、興味本位に元ネタを調べたり、実生活では全く役に立たない英文を眺めて悦に入ってみる。結果的に英単語が覚えられる(かも)。──そう考えると、「分かる人には分かる用例」を採用した本書の方法論は、「原書でミステリを読む」「洋画を観る」といった伝統的英語上達法の延長に過ぎないことが理解できるでしょう。つまり、その方向性を極端なまでに押し進め、英単語帳のトリビア的使用法を示した発想の転換こそが、本書を「話題の画期的怪作」に仕立て上げたのです。
■Dragon quest―ダイの大冒険 (19)(20)
 原作:三条陸/漫画:稲田浩司 集英社文庫
 ISBN:4086180804

#購入したのは19巻と20巻なのですが、まだamazon.comに本データが入っていないようなので1巻で代用。

金欠にも負けず、万難を排して発売日に購入。
おかげで今日の財布の中には16円しか残ってないよーうわーい。

この作品はとにかく「由緒正しい少年漫画」の一言に尽きるでしょう。
単純明快なストーリー、分かりやすい善悪観、ドロドロの影も感じさせない愛情。戦いの中で傷つき、悩み、立ち上がる登場人物達の成長過程。
そして、物語の根底を支える「正義」をここまで楽天的に描ききるのは、とかく複雑さや二面性が強調されがちな現在ではもう不可能に近いのかもしれません。物事の本質は案外シンプルかもしれないのにね。
その意味では、10年以上前に連載終了した作品にもかかわらず、未だ根強い人気を誇っているのも頷ける気がします。

昔々、ジャンプ連載時にはリアルタイムで読んでいた気がするのですが、今となってはどんな終幕だったのかほとんど思い出せません。
文庫版もいよいよ来月の次回配本で終了。古本屋か漫画喫茶にでも行けば簡単にラストまで読めるのですが、ここは敢えて一ヶ月待とうと思います。

ん〜、幸せなドキドキ感。

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